鬼子母神様は子供が500人もいらっしゃいましたが性格が大変凶暴でございまして、人間の子供をつかまえては三度の食事としておりました。人々は大変苦しみ、お釈迦様に助けをもとめたところ、お釈迦様は鬼子母神様の一番末の子供を捕らえてお隠しなさいました。鬼子母神様は気が狂ったように子供を探しまわりましたが子供は見つからず、途方にくれてお釈迦様に助けを求めましたところ、お釈迦様は「おまえは500人も子供がいてそのうち1人いなくなっただけでもそんなに苦しんでいるのに、人間は1人か2人しかいない子供をおまえに食べられているのだぞ。これらの親の気持ちが分からぬのか〜〜〜」と叱咤した。鬼子母神様は子供が無事に戻ったらもう人間の子供を食らうのはやめますとお釈迦様に誓い、お釈迦様はその誓いに免じて鬼子母神様に子供を返し「これより先、人肉が食べたくなったら代りにザクロを食べるのじゃよ。」と諭したのでございました。
ザクロはその実の中にたくさんの小さな実があり、その一つひとつに小さな種を持っています。このことからザクロは「吉祥果」と呼ばれ、古くから子孫繁栄をあらわす縁起のよい果物とされています。鬼子母神様がこのザクロの枝を手に持つのは子供を守る神として子孫繁栄の願いが込められているのでございます。また、庭に植えると子宝に恵まれるともいわれています・・・。 |